穴のK

 昭和61年9月7日の三条競馬。その日は予想が1R的中、2R的中…9R的中と、自分は久々にパーフェクトの予感。そして、先輩記者であるM氏も初めてのパーフェクトに向けて、ドキドキ、ソワソワ。パーフェクト賞(10万円)をもらったら、「この部署に1万円、あの部署に1万円、残りは何万円か」という具合に、すでに使い道を考えていた。それもそのはずで、最終レースはこの日で一番の鉄板レースで、一騎討ちと思われていたレースだったのだ。そして、いよいよ最終10Rの発走。2強のうちの1頭・カツマサタイコウの行きっぷりがどうも変だ。そして、3コーナー付近で故障発生で競走中止。もう1頭のイチコウハヤタケは順当に勝ったものの、2着にはフジサンオースキーが入り、パーフェクトは泡となって消えてしまった。さすがに自分もガッカリしたが、それ以上にM氏の落胆ぶりを見ていると、自分のことなど忘れてしまうくらい気の毒になったものだ。